“高いびき”で寝ている人(いわゆる爆睡? 笑)って、
とても気持ち良さそうに見えませんか?
でも本当は大間違い!
いびきの正体は異常呼吸音です!
実際“いびき常習者”で、
睡眠中の呼吸停止という問題を抱えている方は大勢おられます。
まさに健康の大敵! “生命の危機”と言っても過言ではありません。
それに「やかましー!」「眠れへん・・・」などと、
“いびき”がうるさいと迷惑がられる原因にもなります。
実際“迷惑”が理由でいびきの治療に来院される患者さんは多数おられます。
当院では、“いびき”で苦労されている患者様のお力になりたいと考え、
“いびき解消”と“睡眠時無呼吸の改善”に効果を期待できる
スリープ・スプリントを導入しています。
いびきでお悩みの方はぜひお試しください。
これより“いびき”と“睡眠時無呼吸”および“閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)”について簡単にご案内します。いびきや睡眠時無呼吸でお悩みの方はぜひ最後までご覧になってください。
“エプワース眠気尺度”は日中の眠気を主観的に判断して自己評価するチェックシートです。
活動中の眠気を簡単に評価できるので世界中で幅広く用いられています。
あなたの眠りをよく知っているご家族が評価すると、より客観的な診断結果を得ることができます。
いびきは基本的に仰向けで寝た時に起こります。
睡眠によって緊張が解けると軟口蓋や舌根が垂れ下がり、呼吸の通り道の上気道が狭まります。この狭くなった上気道を空気が通る時に起こる振動がいびきです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は睡眠中に呼吸停止または無呼吸を起こす病気で、1990年に策定された睡眠障害国際分類(ICDS)で不眠症と同じ睡眠異常という病気に分類されています。
(Updated in 2014:ICSD-3)
その中で歯科で治療できる睡眠時無呼吸症候群は閉塞型、先に説明した【いびきのメカニズム】のように、寝ている時に舌が喉の奥に沈下することで気道(空気の通り道)が塞がれて起こる“空気が通る時の振動(大きないびき)”、またそれが引き金となって起こる“睡眠中の呼吸停止”や“止まりかけたりする状態”が断続的に繰り返される病気です。
睡眠が浅くなるだけでなく脳への酸素供給も低下するので“質の高い睡眠”がとれず、日中の強い眠気を感じるようになり、集中力欠如などの問題に繋がります。
ネットで医科・歯科系のサイトを調べると、
スリーマイル島の原子力発電所のメルトダウン事故 |
旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所での事故 |
スペースシャトル・チャレンジャー号の打ち上げ時の爆発事故 |
などを作業員の睡眠不足(睡眠時無呼吸症候群?)も要因だ、と述べているサイトを多数見受けます。
過去には、ひとつ間違えたら大惨事になりかねないニュースもありました。
2003年2月26日 広島発東京行きひかり126号(乗客約340人)を運転中、 約9分間、約31キロに渡って居眠り運転。岡山駅で列車自動制御装置(ATC)が作動して減速、停止位置の約100メートル手前で停車。 SAS(睡眠時無呼吸症候群)と診断され、業務上過失往来危険の疑いで書類送検されたが本人にSASの自覚がなかったとして起訴猶予処分(岡山地検)。 |
2004年3月23日 羽田発山口宇部行きの全日空機(B767型)の機長が飛行中に2度、あわせて数分間居眠りしていたことが分かった。同年7月にSASと緊張感の欠如が複合したとして訓戒処分。 |
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を要因に起こった事故は他にも多数あります。
ここで紹介した睡眠時無呼吸症候群が関係した事故は氷山の一角だと思います。
睡眠時無呼吸症候群は事務職や営業職など、あらゆる職場に失敗という暗い影を落としてくれます。失敗は誰にでもあると思います。しかし、その失敗が睡眠時無呼吸症候群によるものだとしたらゾッとしませんか。
睡眠中の“いびき”や“睡眠時無呼吸”に覚えのある方はやはり検査を受けるべきでしょう。
睡眠ポリソムノグラフィー検査(PSG:Polysomnography)で睡眠中の無呼吸数、低呼吸数を測定し、1時間当たりの平均回数を無呼吸低呼吸指数(AHI:apnea hypopnea index)として算出し判断基準とします。
睡眠1時間あたりの無呼吸、あるいは低呼吸が5回以上あり、かつ以下の臨床症状を伴う場合。
下記項目に1つ以上該当する臨床症状を持つこと。
眠気、充足感のない睡眠、疲労、不眠などの主観的症状 |
息こらえ、無呼吸など窒息感からの覚醒 |
他の観察者(親族など)が習慣性いびき、呼吸の中断またはその両方を確認する |
気分障害(躁鬱)、認知機能低下、高血圧、冠動脈疾患、脳卒中、うっ血性心不全、心房細動、2型糖尿病と診断、有病者 |
睡眠1時間あたりの無呼吸、あるいは低呼吸が15回以上ある。
臨床症状は問わず、また眠気を感じていなくても睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と診断される。
また、無呼吸低呼吸指数(AHI)の数値によって、5以上15未満が軽症、15以上30未満が中等症、30以上が重症と区別されます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は生活習慣病や肥満、顎の問題、扁桃腺肥大、アルコールなどの影響を受けます。
肥満体形や首が短くて太い、顎が小さい人などに起こりやすいとも言われています。
睡眠中の呼吸が阻害され、その息苦しさから快眠は困難なはずですが、とても自覚しにくい病気です。
しかし“よく眠れない”という事実は生活の質(QOL)の低下に繋がりますので、以下の症状を感じる方は当院にご相談ください。
睡眠中の症状 | いびきが大きい 呼吸停止が起こる 頻繁に目が覚める トイレが頻繁(2型糖尿病になりやすい) 不眠症 こむら返り(ふくらはぎに起こる筋痙攣) |
活動時の症状 | 熟睡感がない 起床時の頭痛 日中の耐え難い眠気 集中力の低下 突然の意識消失 前後の記憶不全 |
その他の症状 | 肥満 勃起機能不全、月経不順 |
睡眠中の無呼吸で肺の機能が低下すると、血圧が上昇し、血液も凝固しやすくなります。
呼吸機能の低下による低酸素血症(動脈血中の酸素が不足した状態)や高炭酸ガス血症(血中に炭酸ガスが蓄積した状態)が様々な合併症を引き起こす危険因子とされ問題になっています。
高血圧(心不全・心筋梗塞)※4倍 | 脳血管障害(脳卒中)※4倍 |
糖尿病(高脂血症) | 多血症(頭痛・めまい) |
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞) | 不整脈(めまい・動悸・失神) |
当院では“いびき”・“睡眠時無呼吸”の対策にスリープスプリントをお勧めしています。
睡眠時に装着することで下顎が上顎より少し前に出た状態(若干反対咬合みたいな感じ)になって上気道の閉塞を防ぐことができます。
舌根が下がらないので気道がしっかり確保でき、いびきや無呼吸がなくなってグッスリと快眠できるようになります。
あなたの“いびき”や“睡眠時無呼吸”の病的診断は、当院でのスクリーニング検査(簡易検査)、続いて専門医療機関での睡眠ポリソムのグラフィー検査(PSG検査)によって知ることができます。
検査の結果、睡眠時無呼吸症候群(OSA)と診断された場合に限り、医科または歯科での保険診療が可能になります。しかし“昼間の活力”や“健康増進”を考えると、病気と診断される前の「未病」のうちの改善が重要です。
スリープ・スプリントは睡眠中に装着するマウスピース形状の器具で3・4回の通院ですぐに仕上げてお渡しできます。携帯でき、口腔内の状態に大きな変化がなければ長期間使えるので経済的です。
保険適用できるのは閉塞型睡眠時無呼吸症候群と診断された方に限り、検査を受けた医療機関の紹介状と検査結果が必要になります。
当院が推奨するスリープ・スプリントは自費診療になります。
いびき・睡眠時無呼吸の防止が目的の方、閉塞型睡眠時無呼吸症候群が心配で睡眠評価をお望みの方は次の②をご覧ください。
単なる“いびき”、“睡眠時の無呼吸”でお悩みの方、睡眠時無呼吸症候群は気になるけれど検査をしたことがないという方でも、自費診療でスリープ・スプリントを製作できます。
実際には“いびき防止”を目的に製作される方が大多数です。
どのような環境であっても周囲を気にせず就寝できる喜び、翌朝のスッキリした目覚めをお求めの方はぜひご利用ください。
残っている歯が極端に少ない方や慢性的に鼻腔の通りが悪い方はスリープ・スプリントをお使いいただけないことがあります。
診療時に判断できますのでご安心ください。
いびきや睡眠時無呼吸、閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に対して効果の高いスリープ・スプリントですが、医科のCPAPと同様に対症療法と考えることができます。
装着すると呼吸がスムースになり快眠できますが、原因を根本から絶つ治療ではありません。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の原因の多くは肥満です。
診断される多くの方が医学的な肥満、つまり内臓脂肪型肥満の方々です。また肥満の方は高血圧・糖尿病・高脂血症などを重複して発症していることが多く(メタボリック症候群)、動脈硬化症(脳梗塞・心筋梗塞・狭心症・脳卒中)に発展する恐れもあります。
睡眠時間が短いと肥満になりやすく、肥満になると“いびき”・“睡眠時無呼吸”を起こしやすいというデータもあります。
いびき・無呼吸のない快眠で“寝ているはずなのに眠い…をなくしましょう!
人間には一日周期でリズムを刻む体内時計が備わっており、全身の様々な機能を調節しています。
生活サイクルが乱れていると体内時計に狂いが生じ疲労の蓄積に繋がったり、全身機能の低下に繋がってしまうので、体内時計を意識した規則正しい生活を心がけましょう。
食事は暴飲暴食を避け、時間をかけてよく噛むようにしましょう。
間食もできるだけ控え、適度な運動、年齢にあったカロリー消費を意識しましょう。
健康日本21(厚生労働省)には健康維持に最適な運動消費カロリーは1週間に2000Kcal、1日当たり約300kcalとあります。
運動消費カロリーを意識した適度な運動で新陳代謝を上げましょう。
いびきの多くは仰向けに寝た時の舌根や軟口蓋の沈下によるものです。
これは口まわりの筋力の低下にも原因があります。
口腔筋機能療法:MFT(ORAL MYOFUNCTIONAL THERAPY)で口まわりの筋力をアップすることも必要です。
当院では口腔筋機能療法の指導もおこなっておりますので、改善に向けて一緒に頑張っていきましょう。
WHO(世界保健機関)は2000年に健康寿命を、
日常的な介護を必要とせず、心身ともに自立した健康な暮らしを送ることのできる期間
と提唱しました。
当院のスリープ・スプリントの使用をひとつのきっかけとして、
いつまでも健康な暮らしを送れるよう、いびき・睡眠時無呼吸の改善に取り組みましょう!